オーラルフレイルとは?初期症状・チェック方法
「最近、食事中によくむせるようになった」「滑舌が悪くなった気がする」…そんな変化を感じていませんか?
それ、もしかすると“オーラルフレイル”のサインかもしれません。
この記事では、オーラルフレイルの具体的な症状からチェック方法、予防トレーニング、さらには家族でできるサポートまで、やさしく分かりやすく解説しています。
早めに気づき、正しくケアすることで、いつまでも元気に話し、食べ、笑える毎日が続きますよ。
ぜひ最後まで読んで、あなた自身や大切な人の「口の健康」を守るヒントを手に入れてくださいね。
オーラルフレイルの症状とサインに気づこう。
- ①食べこぼしやむせが増えた
- ②噛みにくい・飲み込みづらい
- ③滑舌が悪くなった気がする
- ④口の乾きや唾液の減少
それでは、具体的なサインについて。
①食べこぼしやむせが増えた
オーラルフレイルの初期症状として多いのが、食事中の「食べこぼし」や「むせ」です。
以前は普通に食べられていたのに、最近ちょっとしたことでむせるようになったと感じていませんか?
これは、咀嚼や飲み込みの力が弱くなっているサインなんです。
特に高齢者では、嚥下機能の低下が始まると、誤嚥性肺炎などのリスクも高まります。
たとえ軽いむせでも、見逃さずに日々の変化に敏感になることが大切ですよ。
「歳だから仕方ない」ではなく、早めに気づいて対応するのがポイントです。
②噛みにくい・飲み込みづらい
「最近、固いものが噛みにくくなった」「食事の時に時間がかかるようになった」そんな変化を感じていませんか?
これはオーラルフレイルの大きなサインのひとつで、噛む力や飲み込む力が低下してきている証拠です。
歯の本数が減ったり、義歯が合っていないなどの要因もありますが、舌や頬の筋力も関係しています。
食事の形態を変える前に、まずは口の機能を鍛えることがとても大切なんですよ。
「噛めないから柔らかいものばかり」という食習慣が、さらに筋力の低下を招いてしまう悪循環に注意しましょう。
③滑舌が悪くなった気がする
以前はハキハキと話せていたのに、最近ちょっと話しづらいな…と思うことはありませんか?
言葉がもごもごして聞き取りづらくなるのも、実はオーラルフレイルの一環なんです。
これは、舌の筋力や唇の動きが衰えてくることで起こります。
会話の回数が減ったり、発声のトレーニング不足も影響しています。
特に「パ」「タ」「カ」「ラ」の音が出しづらくなる傾向があるので、自分でチェックしてみてくださいね。
④口の乾きや唾液の減少
「最近、口の中が乾きやすいな…」と感じたことはありませんか?
これも、オーラルフレイルの初期症状としてよくあるサインです。
唾液には食べ物をスムーズに飲み込むための潤滑剤としての役割があるだけでなく、口内の衛生を保つ重要な機能もあります。
唾液が減ると、食事中のむせや口臭、虫歯のリスクが一気に高まるんです。
唾液の分泌を促すには、よく噛むこと、会話を増やすこと、マッサージなども効果的ですよ。
何気ない変化こそ、オーラルフレイルの始まりを知らせる大事なサインかもしれません。
オーラルフレイルが進行するとどうなる?
オーラルフレイルが進行するとどうなるのかを具体的に解説していきます。
- ①認知症や要介護のリスクが高まる
- ②食事量が減り低栄養状態になる
- ③心身ともに活動量が落ちる
- ④社会的な孤立につながることも
放っておくと、想像以上に深刻な影響を及ぼす。
①認知症や要介護のリスクが高まる
オーラルフレイルが進行すると、脳にも影響を及ぼすって知っていましたか?
噛む回数が減ることで脳への刺激が減り、認知機能の低下に繋がるという研究結果も出ているんです。
実際に、歯が少なくなることで認知症のリスクが高まるというデータもあり、歯と脳は意外にも密接な関係にあります。
また、口腔機能が低下すると栄養状態が悪くなり、筋力が落ちて転倒しやすくなったり、身体を動かす意欲も失われがち。
それが要介護状態へと一気に進んでしまうケースも少なくありません。
だからこそ、「ちょっと滑舌が悪くなったかも?」の段階で気づくことがすごく大切なんです。
②食事量が減り低栄養状態になる
食べづらくなると、自然と「食べるのが面倒…」という気持ちが出てきますよね。
そうなると、食事量が減ってしまって、必要な栄養が取れなくなってきます。
特に高齢者は筋肉の維持に必要なタンパク質の摂取が重要なのに、柔らかいものばかり食べていては不足しがちなんです。
栄養が足りなくなると、筋力が落ちてしまい「サルコペニア」と呼ばれる状態にも繋がりやすくなります。
このサルコペニアとフレイルが重なると、体全体が一気に弱ってしまうリスクがあるんですよ。
「食事がしんどい=オーラルフレイルのサイン」と捉えて、早めの対応が本当に大切です。
③心身ともに活動量が落ちる
オーラルフレイルは、口の問題だけにとどまらず、全身の活動性にも影響してきます。
食べる意欲が減り、食事が苦痛になると、外出したり人と話す機会も減ってきますよね。
そうなると、筋力低下だけでなく、精神的にも気分が沈みやすくなってしまうんです。
「誰かと食べる」って、実は健康維持にめちゃくちゃ大切な要素なんですよ。
だから、口の機能をしっかり保つことは、活動的な毎日を支える土台でもあるんです。
「最近、外出が面倒だな…」という気持ちがあるなら、それもオーラルフレイルの影響かもしれません。
④社会的な孤立につながることも
食べるのが億劫になったり、滑舌が悪くなったことで人と話すのが恥ずかしくなる…。
そんなふうに感じて、人との交流が減っていくケースって意外と多いんです。
話す機会が減ると、さらに口の筋肉が衰えて、オーラルフレイルが悪化するという負のスパイラル。
このサイクルが続くと、最終的には孤独感を感じたり、うつのような症状につながってしまうこともあるんです。
だからこそ、「話す・食べる・笑う」といった日常の口の動きを保つことが、健康寿命を延ばすカギなんですよね。
「まだ大丈夫」と思わず、少しの変化に気づいてあげてください
オーラルフレイルを自宅でセルフチェックする方法
オーラルフレイルを自宅でセルフチェックする方法を紹介します。
- ①オーラルフレイル簡易チェックリスト
- ②舌の力を測るテスト
- ③発音テスト(パ・タ・カ・ラ)
- ④口の開きや表情筋のチェック
誰でも簡単にできるチェック法。
①オーラルフレイル簡易チェックリスト
まずは、いくつかの質問に「はい」「いいえ」で答えるだけでわかる簡易チェックリストです。
以下の項目に、3つ以上当てはまったらオーラルフレイルの兆候があるかもしれません。
チェック項目 |
---|
硬いものが食べにくくなった |
口の中が乾燥しやすい |
むせやすくなった |
食事時間が長くなった |
滑舌が悪くなったと感じる |
口の中を清潔に保つのが面倒になった |
どうでしたか?
当てはまる数が多いほど、リスクが高まっているサインです。
大げさに捉えなくてOKですが、習慣を見直す良いきっかけになりますよ。
②舌の力を測るテスト
次は「舌圧」と呼ばれる、舌の力を測るチェック方法です。
これは自宅では数値では測れませんが、以下の簡単な方法で確認できます。
【チェック方法】
- 舌を思い切り前に突き出して、5秒キープできるか
- 上あごに舌を押し付けて、10秒キープできるか
これがキツい、もしくはプルプル震えてしまう場合は舌の筋力が弱っているかも。
舌の力は飲み込みに直結するので、意識して鍛えるのが大切なんです。
普段、意識しない筋肉だからこそ、劣化も早いので気をつけましょう。
③発音テスト(パ・タ・カ・ラ)
発音による口の運動チェック「パ・タ・カ・ラテスト」もおすすめです。
このテストでは、それぞれの音が舌や唇のどこを使っているかをチェックできます。
音 | 鍛えられる部位 |
---|---|
パ | 唇(口を閉じる力) |
タ | 舌先(前方) |
カ | 舌の奥(後方) |
ラ | 舌全体の動き・滑舌 |
【チェック方法】
- 10秒間で「パ・タ・カ・ラ」を何回言えるかカウント
- 言いづらさや、舌がもつれる感覚がないか確認
これは楽しくできるので、ぜひ家族で一緒にやってみてくださいね。
リズムゲームのように遊び感覚で取り入れると継続しやすいですよ~!
④口の開きや表情筋のチェック
表情筋も、オーラルフレイルの大切なチェックポイントです。
笑顔が作りにくくなったり、口角が下がってきたと感じたら、要注意ですよ。
【チェック方法】
- 鏡を見て、大きな「いー」の笑顔が作れるか
- 口角が左右対称に上がっているか
- 口を大きく開けて「アー」と声を出せるか
表情筋の衰えは、見た目の老化だけでなく、飲み込みや会話にも影響します。
普段から笑うこと、よく話すこと、歌うことなどが、予防になりますよ!
無理なくできることから始めて、楽しくセルフチェックしていきましょう!